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お知らせ・コラム

2018年1月1日(月)

【薬膳コラム】新年あけましておめでとうございます

新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事  大伴家持


 明けましておめでとうございます。
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。
新春に降り積もる雪のように、皆様の元にもたくさんの良い事がありますことをお祈り申し上げます。


 皆様、お屠蘇(とそ)は召し上がられましたか。お屠蘇の謂れは諸説ありますが、
中国後漢時代の名医である華佗(かだ)が作ったもので、邪気を屠(ほふ)り、
魂を蘇(よみがえ)らせるので、屠蘇と命名されたとされています。
平安初期に日本に伝わり、はじめは宮中で用いられ、やがて民衆に広まりました。
「初春三ヶ日これを飲めば一家中病なし、一家これを飲めば一里中病なし」ともいわれ、
一年の無病息災、延年益寿を願って、年上の者が年少者に注ぎ、年少者から飲み始めます。

 お屠蘇は薬局やスーパーなどでも販売されており、入っている生薬はそれぞれですが、
山椒(さんしょう)、陳皮(ちんぴ)、桂皮(けいひ)、山帰来(さんきらい)、
白朮(びゃくじゅつ)、浜防風(はまぼうふう)、桔梗(ききょう)などが挙げられ、
清酒や本みりんなどに浸して飲みます。薬膳としてとらえると、お屠蘇は外邪に
侵されやすく嬌臓(きょうぞう・かよわい臓器)と呼ばれる肺を守って風邪を予防し、
年末年始の食べ過ぎ、飲み過ぎにより弱った脾胃の働きを整え、寒い冬の季節の影響を
受けやすい腎を温めます。気を晴らし、身体を温め、水滞(体内で病的に停滞した水分)を
取り去り、さらに薬酒そのものにも血行を促進する、薬効を高める、風寒を防ぐという利点があります。


 自分の体調に気遣い、日々養生して病気を予防すれば、
身体の衰弱や老化を遅らせ、健康で長生きできるはずです。それが延年益寿です。


心身ともに健やかに新年を迎えた喜びを分かち合い、
今年もこのコラムにお付き合い下さることを嬉しくありがたく思います。

平成30年1月1日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子