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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2018年3月15日(木)

【薬膳コラム】神農さんと神農本草経

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


 先日、「神農(しんのう)さん」と呼ばれる少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)にお参りしました。
この神社は製薬会社が立ち並び、薬の町として知られる大阪の道修町(どしょうまち)に建ち、
日本医薬の祖神「少彦名命(すくなひこなのみこと)」と中国医薬の祖神「神農炎帝(しんのうえんてい)」を祀っています。

 神農は人々に農耕を教え、たくさんの植物をなめて薬効や毒性の有無を確かめ、
薬となる植物の効用を知らせたとされる中国古代の帝王です。


 後に、伝説にちなんで、その名をつけた神農本草経(しんのうほんぞうきょう、しんのうほんぞうけい)が
編纂されました。この神農本草経は中国最古の本草(薬物)書であり、黄帝内経(こうていだいけい)、
傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)とともに、中国医学における三大古典のひとつとされています。


 この書では365種の植物、動物、鉱物からなる薬物を上品(じょうほん、上薬ともいう、以下同様)、
中品(ちゅうほん、中薬)、下品(げほん、下薬)に分類し、それぞれの薬効を記しています。


 それらを詳しくいいますと、上品は養命薬、生命を養います。無毒で、
多量に長期間服用しても害はなく、身体を軽くし、気を益する薬で、不老長寿を目的としています。
中品は養性薬、身体を丈夫にする薬です。毒になるものもあるので、注意して用います。
病気を予防し、虚弱な身体を強くします。下品は治療薬、病気を治すために用います。
作用が強く副作用も多いので、長期間の服用は避けたほうがよい薬です。


 上品のなかには牡桂(ぼけい、シナモン)、署豫(しょよ、やまいも)、
?苡子(よくいし、はとむぎ)、石蜜(せきみつ、蜂蜜)、蒲陶(ぶどう、葡萄の果実)、
胡麻(ごま)など、現代でも食され、私達が慣れ親しんでいるものも挙がっていて、
古くより使われていたそれらの食能を知ることができます。


平成30年3月15日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子