一覧

  • 薬膳とは
  • 薬膳キャンパスの活動
  • 講座情報
  • イベント情報
  • メディア情報 活動実績
  • お知らせ コラム

HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】 桃の節句

お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年3月1日(水)

【薬膳コラム】 桃の節句


 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

3月3日は桃の節句、雛祭りですね。 桃の節句は上巳(じょうし)の節句とも呼ばれ、五節句のひとつです。
五節句は1月7日が人日の節句、3月3日が上巳の節句、5月5日が端午の節句、 7月7日が七夕の節句、
9月9日が重陽の節句で、中国から伝わり、 江戸時代には幕府が公式の行事日に定めていました。

 桃の節句は旧暦の3月3日なら桃の花が咲く時期で、 邪気をはらう仙木とされる桃の花を浮かべた酒を
飲む慣習が宮中で始まり、 一般でも行われるようになったとも伝え聞いています。
雛人形を飾るようになったのは室町時代の頃からで、 現代では白酒や菱餅、雛あられなどをお供えして、
祝い膳を囲み、 女の子の健康と幸せを願う雛祭りが定着しています。

 桃の葉はあせもや肌荒れに浴用や化粧水などで利用され、 桃の成熟種子は桃仁(とうにん)という名の生薬で、
血の滞りをなくして血の巡りを良くします。 中医学(中国伝統医学)では気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)という
人体を構成する基本物質があり、それらが人体の正常な生理活動をさせると考えられています。
血は血管内を流れ、栄養を全身に供給して潤いを与えます。血の流れが滞って、
血行不良が起こった状態を血?(けつお)といい、肩がこりやすい、肌のくすみやしみが気になる、
いつも同じ場所が痛む、あざが治りにくい、塊のような生理血が出るなどの自覚症状がみられます。
?また舌全体が紫色になったり、舌の裏の静脈が青黒い色であったり、 さらに舌根部でつながっていたりする人は
血?証と推察されます。 桃仁は?血(おけつ、血の流れが滞っているところ)を溶かして取り除く働きがあり、
月経、出産、更年期に伴う女性特有の症状の改善する漢方処方に配合されています。
その点で美しく健康でありたい女性の味方ともいえるではないでしょうか。

 皆様も今年の桃の節句の宴には桃の花を飾り、愛でてみませんか。
次のコラム掲載日は3月15日です。またご覧いただけると、嬉しくありがたく思います。


平成29年3月1日 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子