HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】暑い夏 秋に向けて取り入れたい食材
<薬膳コラム>
2025年8月15日(金)
【薬膳コラム】暑い夏 秋に向けて取り入れたい食材
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
立秋を過ぎたとはいえ、
残暑が厳しい日々が続いています。
いかがお過ごしでしょうか。
夏は一年で最も気温が高く、
湿度も高い季節です。
気温が高い時、私たちは汗をかいたり、
皮膚や呼気から気体として
水分を蒸発させたりすることで、
体温を調節します。
これらは身体に有用ですが、
汗などが身体の外に出過ぎると、
人体に必要な水分である津液を
減らしてしまいます。
さらに、エネルギーの素となる気も
汗(津液)とともに身体の外に出ていきます。
気が消耗すると、元気がなくなり、
疲れやだるさを感じます。
このまま、津液が不足した状態で、
秋の空気の乾いた季節を迎えると、
肌や体内組織の乾燥による症状、
たとえば、肌荒れや乾いた咳、
のどの乾燥、便秘などが
現れやすくなります。
そこで、夏に消耗した
津液や気を補うことが重要です。
では、津液を補うには、
水を飲めばよいとお思いでしょうか。
夏の盛りは別として、
のどが渇いてもいないのに、
むやみに水を飲むと、排泄しきれず、
余分な水が体内に溜まってしまい、
むくみなどが起こります。
また、胃に水分が溜まりすぎると、
胃酸が薄まり、消化機能が弱まります。
水分摂取量は個々の体質や
生活環境によって異なるので、
適切な量を心掛けましょう。
津液は飲食物から
脾胃の働きによって作られるものです。
滋陰、補陰、生津という働きを持ち、
津液を生み出し、体内を潤す食材があります。
白きくらげ、ズッキーニ、冬瓜、梅、
梨、桃、レモン、牛乳、ヨーグルト、
メープルシロップ、甘酒(米麹を糖化したもの)、
緑茶などがそうです。
さらに、気も不足した状態でいると、
抵抗力がなくなり、
呼吸器系の疾患が起こりやすくなります。
今年も、かぜやインフルエンザの流行時には、
咳止めや痰切りの薬、抗生剤、抗ウイルス剤などの
医療用医薬品の供給不足が懸念されます。
できることなら、病気を未然に防ぎたいですね。
しばらくは暑い日が続くかと思われますが、
汗のかきすぎに気を付けて、疲れを感じたら、
無理をせず早めにしっかり休みましょう。
この秋も健やかに過ごしたいですね。
令和7年8月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子