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<薬膳コラム>
2025年10月1日(水)
【薬膳コラム】漢方健康料理より「銀耳の甘味スープ」
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
義母が遺した「漢方健康料理」(雄渾社)を参考に、
秋の季節にふさわしい
銀耳羹(銀耳の甘味スープ)を作りました。
薬膳を習い始めた頃、
先生に銀耳(ぎんじ)は
白きくらげのことだと教えていただきました。
講義が終わって、立ち寄った
名古屋駅近くにある品数豊富な食料品店では、
さっきまで一緒に受講していた方も、
白きくらげを購入されていました。
8月のコラムでも紹介しました
「漢方健康料理」は、
北京中医学会学術委員会の制作により、
当時の北京市中医医院院長と
北京前門飯店特級技師(最高位の調理師)でらっしゃった、
その道の第一人者の方々が編纂や指導をされて、
薬学博士渡邊武先生が監修された
中国健康料理(薬膳)の書籍です。
今は手に入りにくいかと思います。
このスープに使用する食材は、
銀耳(白きくらげ)、卵白、氷砂糖、ラードです。
作り方は以下の通りです。
① 銀耳を熱湯につけて戻し、
根の部分を切り取り、
小さくちぎって鍋に入れて、
水を注いで、火にかけ、煮込みます。
② 卵白を器に入れて、
水を少し加えてよく混ぜておきます。
③ ①の銀耳の鍋に②の卵白を入れて、
混ぜながら煮立て、
あくを取り除きます。
④ 氷砂糖を煮溶かし、汁ごと、
③の銀耳と卵白の入った鍋に注ぎ、
よく混ぜ、再び煮立ったところで
ラードを加え、火から降ろして器に盛ります。
銀耳は身体に必要な陰液(津液と血)を補給し、
卵白や氷砂糖とともに肺を潤し、
咳を鎮めます。
卵白には肺の熱を取り、
炎症を抑える働きがあります。
よって、肺の機能低下の改善が期待できます。
とろとろの銀耳と淡雪のような
卵白が優しい一品です。
氷砂糖やラードは
お好みの量をお使いください。
少し塩を足してもよろしいかと思います。
「薬膳食典 食物性味表」より
銀耳(平甘淡/肺胃腎)滋陰、潤肺、止咳、益胃、潤腸、抗癌
鶏卵白(涼甘/心肺腎)清肺、利咽、清熱、解毒
氷砂糖(平甘/脾胃肺)補中、益気、和胃、滋陰、潤肺、止咳
ラード (涼甘/脾肺大腸)潤燥、通便、補虚損
令和7年10月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子