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<薬膳コラム>
2025年12月1日(月)
【薬膳コラム】二季の時代に寄り添う冬の薬膳
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
「薬膳」と「二季」が、今年の新語・流行語大賞
ノミネート語に選ばれ、静かな注目を集めています。
NHKドラマ「しあわせは食べて寝て待て」をきっかけに、
「薬膳」に興味を持ち、
身近なものとして感じてくださる方が
多くなったのは、嬉しいことです。
もうひとつ、「二季」。
日本の春夏秋冬という四季が、
夏と冬の二季化しているのではないか
という状況を示します。
年々、秋が短くなっているような気がします。
今年は特に、9月はまだ秋とは言えず、
10月前半も半袖で過ごす日が多く、
後半になると急に朝晩冷え込み、
11月にはもう冬支度を急かされるような、
気忙しさを覚えた方もいらっしゃったかもしれません。
今思えば、桜の花が散るように、
春もほんの一瞬で通り過ぎて
しまったような気がします。
冬は「閉蔵(へいぞう)」の季節、
自然界が静まりかえります。
私たちも寒さにより代謝が低下し、
エネルギーを内に蓄える傾向が強まります。
身体を温めて冷えを避ける、
早寝遅起きで陽気を養い、
読書や瞑想、深呼吸などで静かに過ごすのが秘訣です。
薬膳では腎を中心に滋養し、
寒さから身を守ることが大切です。
冬の薬膳ポイント
• 腎を補う食材:山芋、黒豆、にら、栗、
胡桃、黒胡麻、海老、鶏肉、羊肉など
• 気を巡らす:生姜、ねぎ、シナモンなど
• 温める調理法:煮込み、蒸し物、
スープなどでじっくり火を通す
そして、五行で「水」に属する冬は、
「恐れ」や「驚き」が現れやすい時期。
安心感を大切にして過ごします。
家族や友人との温かい交流も、心の栄養となるはずです。
季節が二季へ変わりつつある今、
薬膳は心身を整える知恵として、
その価値をいっそう深めているように思います。
令和7年12月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子





















