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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2025年9月15日(月)

【薬膳コラム】蓮根

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

蓮根は蓮の地下茎で、
水を張った泥の中に埋まるように
伸びて成長します。

蓮は水中に沈む泥から栄養を吸収し、
水面では清らかな花を咲かせます。
この泥の中での力強い成長と
花の美しさは自然の驚異すら感じさせます。


蓮根は秋から冬にかけて旬を迎え、
11月〜2月頃が最も
美味しい時期とされています。

旬の時期に収穫された蓮根は
粘りや甘みが増し、旨味があります。
新蓮根は9月頃から出回り、
瑞々しくしゃきしゃきとした食感が特長です。


蓮は実や葉など部位ごとに
身体に入ったときの作用が異なります。
例えば、実(蓮子/れんし)は心や腎、脾を補い、
葉(荷葉/かよう)は夏の暑さを和らげ、
湿を排出します。


蓮根の薬膳作用は、
生と熟(十分に煮えたもの)で分けられます。

生の蓮根は、
食性は寒(生、熟とも食味は甘、帰経は心肺脾胃)、
熱を取り除く、血熱を取る、
瘀血を取り除く、いらいらを取り除く、
肺を潤す、津液を生み出す作用があります。

このことから、
鼻血や原因がわかったうえでの不正出血、
のどの乾きや痛み、咳などの
呼吸器疾患などのあるときによいでしょう。

特に、生のしぼり汁は熱を冷まして
津液を生み出すのに効果的です。


加熱された蓮根は、
食性は平、消化吸収をつかさどる
脾を健やかにする、
胃の機能を正常にして食欲を促す、

下痢症状を改善する、
腎精を保って漏れを防ぐ、
五臓を補う作用があります。

脾胃の働きを高めることから、
消化器官の弱りによる食欲不振や
慢性的な下痢の解消によいでしょう。


蓮根の節と節のつなぎ目は
藕節(ぐうせつ)といって、
止血作用が高いです。

また、栄養面からいうと、
蓮根はビタミンCやカリウム、
食物繊維、タンニンなどが豊富です。


体質や体調に応じて、
蓮根を生で食べるか加熱して食べるか、
選ぶといいですね。

令和7年9月15日


薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子

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