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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2022年8月15日(月)

【薬膳コラム】夏の暑さを残さずに

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

今月7日に立秋を迎え、暦の上では既に秋というのに、
残暑厳しく、秋の気配を感じられるのは
まだまだ先のようです。特に今年は平年よりも
梅雨明けが早く、暑い期間が長いという印象を受けます。



 夏は一年で最も気温が高く、湿度も高い季節です。
気温が高い時、私たちは汗をかいたり、
皮膚や呼気から気体として水分を蒸発させたりすることで、
体温を調節します。これらは身体に有用ですが、
汗などが身体の外に出過ぎると、
身体に必要な水分である津液を減らしてしまいます。


さらに、エネルギーの素となる気も汗(津液)とともに
身体の外に出ていって、気が消耗すると、
元気がなくなり、疲れ、だるさを感じます。
また、夜は暑く、ぐっすり眠れないと、
朝になっても、疲れがすっきり取れません。



夏は発汗や不感蒸泄で体温調節するため、
血液が体表に集まり、消化吸収をつかさどる
脾の働きがおろそかになりがちです。


さらに、「脾は湿を悪(い)む」といわれ、
外界の湿度に影響を受けやすく、暑いからといって、
ついつい水分や冷たいもの、生ものを摂り過ぎると、
冷えて消化吸収が悪くなり、食欲が落ちてきます。


脾は気血生化の源といって、人体を構成する基本物質である
気、血、津液を生み出し、それらを全身に運びます。
そうした脾の働きが弱まれば、体力、気力も弱まります。



夏の終わりにばてている方も、
どうやら夏は乗り切れそうかという方も、
元々、脾が弱いと自覚している方も、
脾を補って身体を立て直すといいでしょう。


脾の働きを正常にする食材にはうるち米、
そばなどの穀類、さつまいも、じゃがいも、
山芋などのいも類、黒豆、大豆などの豆類、おくら、
かぼちゃ、いか、いわし、牛肉などがあります。



それらを食卓に摂り入れて、健やかに秋を迎えましょう。


  2022年8月15日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子