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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年2月15日(水)

【薬膳コラム】 枸杞の実

国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 薬膳は中医学(中国伝統医学)に基づく食養生です。健康の維持と増進、
病気の予防や回復などを目的としており、食材が身体を温めるのか冷やすのか、
身体に入った時にどのような作用をするのか、五臓六腑のどこに働きかけるのかを理解し、
食べる人の体質や症状、季節や気候、場所や環境などを配慮した上で、食べ物を用いて体調を整えていきます。


 薬膳は漢方に使われる生薬を多用するもの、身体に良さそうだけどおいしくなくて薬臭いものと
誤解されることがありますが、食事であるならばおいしく無理なく摂ることが前提で、
普段の食生活に取り入れられる養生法なのです。


 中国・周時代(紀元前11~8世紀)には既に医師という官職があり、食医、疾医(内科医)、
瘍医(外科医)、獣医の専門医のうち、王の食事の調理や管理を任されていた食医の地位が
一番高かったと伝え聞いています。私達も心と身体を元気にする薬膳を知り、学ぶことで、
家庭の食医となりうると思いませんか。


 さて、中華料理屋さんで杏仁豆腐などの飾りに盛り付けてある赤く小さい枸杞の実を、
皆様もご存知かと思います。枸杞の実は枸杞子(クコシ)という名の生薬で、
滋補肝腎といって中医学での五臓のうち、肝と腎の働きを補います。また、目の疲れやかすみ目、
視力の不調を解消する明目という働きもあります。


 薬膳は生薬を用いる食事を指すのではないと申しましたが、生薬でもある枸杞の実の働きを理解して
取り入れた食事は薬膳となります。肝腎かなめの肝と腎を養いたい方、目の症状が気になる方は
枸杞の実を食材のひとつとして料理に活用して、あるいは薬酒、薬茶などで召し上がってはいかがでしょうか。
枸杞の実は漢方薬局や中華食材を扱うお店などで販売しています。
食べておいしい生薬は数多くありますので、またご紹介していきますね。


 最後までお読み下さいましてありがとうございます。
コラム掲載は毎月1日15日を予定しており、次回は3月1日です。


平成29年2月15日
国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子