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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2018年4月1日(日)

【薬膳コラム】山菜を召し上がれ

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 

 新年度にあたって、新しい生活を迎える方々も多くいらっしゃると思います。
変わらない毎日を送る方々も、この時期は気持ちに何かしら
変化があるのではないでしょうか。

 春は万物が生長、発育する季節です。自然界に陽気が増え、
次第に気温が上昇して暖かくなると、人間も陽気が満ちてきて
活動的になってきます。大地に植物が芽吹き、野山ではぜんまい、
たけのこ、たらのめ、ふきのとう、ふき、わらびなど、
様々な山菜が姿を現します。これらの山菜はビタミンやミネラル、
食物繊維などを豊富に含み、独特の味やほろ苦さも合わさって、
寒い冬の間、閉じこもっていた私達の身体に活を入れます。

 ぜんまいは生命力の源である腎を補い、血を補い、
お通じを促し、体内の余分な水分を排泄させます。

 たけのこは身体の熱を冷まして(清熱)、春の陽気の上昇に伴って
現れるほてり、のぼせなどを鎮め、便通を良くします。
解毒作用によって、体内に溜まっていた老廃物や毒素を取り除きます。

 たらのめはタラノキの新芽で、清熱、解毒に働きます。
タラノキの根皮や樹皮は民間薬として糖尿病に用いられ、
たらのめも血糖値の上昇を抑制するといわれています。

 春の訪れを告げるかのように現れるふきのとうはふきの若い花茎とつぼみです。
ふきはふきのとうが生長した後、地上に出てくる葉柄(ようへい、葉を支える柄)が
食用にされます。ふきのとう、ふきは解毒、健胃に働きます。

 わらびは、万葉集で志貴皇子(しきのみこ)が「石(いわ)ばしる垂水(たるみ)の上の
さわらびの萌え出づる春になりにけるかも」と詠んでおり、古くから食されていたと分かります。
身体の過剰な熱を冷まし、体内の余分な水分を排泄させ、気の高ぶりを鎮めます。


 山菜を召し上がる時は発疹が出たり、身体が冷えたりすることもあるので、
十分にあく抜きをすること、天ぷらにする、山椒や生姜、からしなどの薬味、
香辛料を取り入れるというように調理法を工夫すること、摂り過ぎないように心掛けて下さいね。

平成30年4月1日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子