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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2018年9月15日(土)

【薬膳コラム】新米のおいしい季節

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 皆様にとって、秋といえば何でしょうか。スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、
行楽の秋、食欲の秋・・・など、秋は楽しみが多いですよね。


 実りの秋、収穫の秋、新米のおいしい季節でもあります。薬膳の考えでは、
うるち米は生命を維持するのに必要なエネルギーである気を補い、消化吸収をつかさどる脾と
胃の働きを正常にします。しかも、うるち米は身体を温めも冷やしもしない平性の食材なので、
健康な人が主食として、普段、日常生活で食べるにふさわしいでしょう。また、もち米は身体を温める温性、
小麦はやや身体を冷やす涼性の食材なので、寒い冬に焼いたり煮たりしたお餅を、暑い夏にひんやりした
そうめんや冷や麦などの麺類を食べる習慣は、とても理にかなっていると思いませんか。


 さて、イネ科のイネの種子の精白していないもの、玄米は粳米(こうべい)と呼ばれる生薬なのです。
粳米はエネルギー源となるだけでなく、口渇や煩躁を止める働きがあり、のどの渇きやほてりを改善する
白虎加人参湯、乾いた咳などに用いる麦門冬湯などの漢方薬に配合されています。


 穀物つながりで挙げていくと、コムギの種子が小麦(しょうばく)という名の生薬で、効能は皮にあり、
種子全体が使用されます。そして、アワの種子が?米(じゅつべい)という生薬です。二つに共通するのは
精神不安、動悸、不眠などを解消する働きを持つことです。また、オオムギの発芽させたもみはでんぷん質の
消化を助ける麦芽(ばくが)、モチイネのヒゲ根は寝汗など異常な発汗がある時に使う糯米根(じゅべいこん)となります。
これらに限らず草木、動物、鉱物などの自然のものから薬効を見出した先人達を敬服します。


平成30年9月15日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子