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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年4月1日(水)

【薬膳コラム】麻黄(まおう)

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 中国古来の思想によると、東西南北の四方には守護神がいるといわれ、
東の青龍(せいりゅう)、西の白虎(びゃっこ)、南の朱雀(すざく)、
北の玄武(げんぶ)の四神(ししん、しじん)がそれにあたります。

 五行説に基づき、それらの色はそれぞれ青、白、赤、黒を、
中央に黄を置きます。そして薬の守り神、四神の要薬はというと、
青龍に麻黄(まおう)、白虎に石膏(せっこう)、朱雀に芫花(げんか)、
玄武に附子(ぶし)が配されます。



 春は五行では木(もく)にあたり、木の方角を示す五方は東、
五色は青、東方の守護神は青龍、麻黄は東方の守護を担う生薬となります。



 麻黄はシナマオウをはじめとする同属植物の木質化していない地上茎です。
外部から病邪が侵襲して起こる悪寒、発熱、頭痛、身体の痛み、
咳や喘息などを発汗により体表から発散させ、さらに水分代謝が悪くて
むくみを伴うなど、汗だけでは症状を解消するに不十分な時は
お小水で排泄させて、効果を発揮します。


 その麻黄と桂皮を君薬とし、青龍の名を持った
小青龍湯(しょうせいりゅうとう)という方剤は気管支炎、
気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、
感冒における水っぽい痰、水のように透明な鼻水、鼻づまり、
くしゃみ、喘鳴、咳嗽、涙目などに適用されます。水様性の痰、
鼻水、くしゃみを伴う花粉症に効果的で、眠気が出ないので、
受験生や運転をする方にもおすすめできます。


 このような症状を根本的に改善するには身体を冷やさない、
水分を摂り過ぎない、冷たいもの、生もの、甘いもの、
脂っこいものを摂り過ぎない、香辛料、薬味を適度に摂る、
にがりの入った塩を適度に摂る、酸味を適度に摂るという
食養生が必要かと思われます。


2020年4月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子