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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2021年2月15日(月)

【薬膳コラム】帆立貝

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


帆立貝は二枚貝で、貝殻の一枚を舟の帆のように立て、
風に乗って海面を進むといわれていたので、この名が付きました。

実際はそうではなく、殻のすきまから
水を吐き出してその勢いで移動します。



帆立貝には滋陰(じいん)といって、
津液を補い、体内を潤す働きがあります。
特に、肝と腎の陰液が不足している時に
取り入れるとよいとされています。


帆立貝の旬は冬から春にかけての時期です。
五行説により、冬は腎、春は肝の臓が
季節の影響を受けやすいとされています。


春の始めに陰液が乏しいと、陰が陽を制御できず、
肝の陽気が高ぶって上にあがり、めまい、耳鳴り、
頭痛、目の充血、いらいらして怒りっぽいなどの症状が現れます。


そのため、帆立貝のような陰液を補う食物を摂り、
陰陽のバランスを整えることもよいかと思われます。
帆立貝はまた精神不安や情緒不安を取り除き、
脾胃を整えて消化を促進させます。


帆立貝は他の貝類に比べてたんぱく質が多く、
複数のうまみ成分を含みます。
コレステロールの吸収を抑えるなどの働きを持つタウリン、
エネルギー源となり疲労回復を促進するグリコーゲンなども有します。



 帆立貝のほかに陰液を補う食物は黒米、山芋、黒豆、
エリンギ、白きくらげ、人参、ほうれんそう、黒胡麻、
いか、牡蠣、干し貝柱、ぶり、うずら卵、豚肉、鶏卵、
チーズ、ヨーグルトなどがあります。


それらや血を補うきくらげ、よもぎ、赤貝、あさり、
さば、たら、なまこ、にしん、ひじき、まぐろ、牛肉、
レバー(牛、鶏、豚)などの食物も食卓に取り入れましょう。


 2021年2月15日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子