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<薬膳コラム>
2026年6月15日(月)
【薬膳コラム】なす
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。
雨の季節の食卓には、なすがよく似合います。
水気を含んだ空気の中で、
紫色のつややかな皮がひときわ映え、
手に取るとひんやりとした涼が指先に伝わります。
なすの約九割は水分で、
その瑞々しさが梅雨から盛夏にかけて、
体内にこもった熱を静かに冷ましてくれます。
「秋なすは嫁に食わすな」という言葉も、
身体を冷やしやすい性質を昔の人が
経験的に知っていた証でしょう。
なすは清熱だけでなく、
消腫・利水・健脾・和胃・活血と、
多方向に働く食材です。
ほてりを鎮め、湿気によるむくみを軽減し、
重だるさを和らげます。
さらに健脾・和胃・利水の働きで、
湿気で弱りがちな脾胃を整え、
余分な水分をお小水として排出させることで、
食欲不振や倦怠感の改善にもつながります。
加えて、活血作用によって血の巡りを促します。
紫蘇、たまねぎ、ピーマンなど、
気を巡らせる香味野菜と合わせると、
いっそう力を発揮します。
天候に応じて食材を選ぶと、
なすの働きは生きてきます。
肌寒い雨の日には、
生姜やねぎを添えて温性を補う一品に。
反対に蒸し暑い日には、きゅうりや冬瓜、
トマトなど清熱・利水の食材と合わせることで、
体内の熱と湿を効率よくさばくことができます。
また、なすは油を吸いやすいことで
知られていますが、
焼きなす、蒸しなす、浅漬けなど、
水分の多さを生かした油を使わない調理は、
湿気の季節に向いているかもしれませんね。
雨の続く季節は、
どうしても身体も心も停滞しやすくなります。
旬のなすを日々の食卓に取り入れることで、
六月をより快適に過ごすための
小さな助けとなるでしょう。
令和8年6月15日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子





















