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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2019年8月1日(木)

舌で知る夏の体調

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 

中医学には四診(ししん)という診断法があり、病証を識別し、病状を推測し、
病気の予防と治療の方針を導きます。それらは視覚による望診(ぼうしん)
聴覚と嗅覚を使う聞診(ぶんしん)、本人や家族に年齢、職業、病歴
家庭環境、生活習慣、今の症状などを尋ねる問診(もんしん)、
脈拍やおなかなどを手で触れる切診(せっしん)です。

 

望診のうち、臓腑や気血津液と密接に関わっている舌の質と
舌苔を診る舌診(ぜっしん)では身体が冷えているか熱を
持っているか、気血津液の巡りがどうなっているか、
これから病気が悪くなっていくのか、よくなるのかなどが推察できて、
体調のセルフチェックの方法ともなりえます。

 

健康な舌は淡紅色(淡いピンク色)、程よい形と大きさを持ち、
やわらかく良く動き、薄い白色の苔があり、舌面は適度に湿潤しています。

 

舌がやせていて舌の色は真紅、苔は少ないかまったくない方、
さらに舌に亀裂がみられる方は身体に熱を帯び、
身体に必要な津液が乏しくなっています。熱中症に気を付けましょう。

 

舌全体が大きくてはれぼったい、舌の周りにギザギザとした
歯のあとがある方は身体に余分な水分がたまっているかもしれません。
ひょっとして水をとりすぎているか、冷たいもののとりすぎなどで
胃腸が冷えて弱っているか、水の代謝がスムーズでないようです。

 

舌にべったり貼りついた苔(膩苔・じたい)がある方は食べたり
飲んだりしたものがうまく消化吸収、排泄できず、
身体の中にたまっていることが考えられます。

 

普段から鏡に映った舌を見ることで自分の体調を客観視し、
生活を振り返るきっかけとなれば、病気を予防できるでしょう。
また機会あれば、舌で知る体調について、お伝えしたく思います。

 

2019年8月1日


国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子