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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2019年4月15日(月)

【薬膳コラム】鰆(さわら)

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

フレッシュな気持ちで迎えた新年度も始まり、何かと慌ただしく、慣れない生活に緊張して、
もうぐったり疲れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
おめでたい新天皇即位に伴い、お仕事をかかえる方もいらっしゃるかと思います。


 中医学では気、血(けつ)、津液(しんえき:水ともいう)は人体を構成する基本物質であり、
臓腑や経絡など体内の組織器官が生理活動をするために必要なエネルギーの基(もと)となります。


 その三つのうち、気が不足すると、元気がなくて力が出ない、息切れがする、声に力がなくなる、
頭がくらくらして目がくらむ、汗が出やすいなどの症状が現れ、動くと気を消耗して、
それらが悪化します。さらには、血も不足する、気血津液の流れが滞る、寒気を生じる、
風邪をひきやすいなど、様々な体調不良が起こります。


さて、魚へんに春と書く、鰆(さわら)という魚があります。関東では産卵期前の
脂ののった寒鰆を好み、冬を旬、関西では大量に獲れる春を旬としています。


 鰆は大きさによって名前が変わる出世魚で、幼名は「さごし」、70センチ以上で
「さわら」と呼ばれ、体長1メートルにもなります。鰆には気を補い、力をつける働きがあり、
臓腑組織器官の気が虚した状態を改善します。鰆の食味は甘、人体の活動に必要な機能や
栄養物質などの不足を補います。その食性はやや身体を温める微温、気が足りなくて
温める力が弱く、冷えのある方に合う食物です。また、後天の本、気血生化の源と
称される脾というところを補って、飲食物の栄養を消化吸収して気血津液を
生み出すように働きかけます。


 お疲れの方は鰆を召しあがってはいかがでしょうか。体力を回復させて、
新しい時代を健やかに祝いましょう。

平成31年4月15日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子