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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年1月1日(水)

【薬膳コラム】冬の守護神

新しい年が明けました。
今年もよろしくお願い申し上げます。

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


中国古来の思想によると、東西南北の四方には守護神がいるといわれ、
東の青龍(せいりゅう)、西の白虎(びゃっこ)、南の朱雀(すざく)、
北の玄武(げんぶ)の四神(ししん、しじん)がそれにあたります。

五行説に基づき、それらの色はそれぞれ
青、白、赤、黒を、中央に黄を置きます。
やがて日本に伝わり、四神にちなんで名づけられたものが多く生まれました。
会津戦争では白虎隊だけでなく、青龍、朱雀、玄武の名を配した
部隊もあったと伝え聞いています。



方剤にはこれらの名を持つ青龍湯(小青龍湯/しょうせいりゅうとう、
大青龍湯/だいせいりゅうとう)、白虎湯(びゃっことう)、
朱雀湯(十棗湯/じっそうとう)、玄武湯(げんぶとう)があります。


北方の守護神の名を有する玄武湯は中国医学の古典である
傷寒論(しょうかんろん)に収載されていましたが、
宗時代、皇帝の名の玄を避けて真武湯(しんぶとう)と改名され、
現代に至ります。北は寒冷の地であり、五行にならうと季節は冬、
人体では腎にあたります。


真武湯の君薬の附子(ぶし)は気が不足して冷えている人の
新陳代謝を高めて身体を温める、痛みやむくみをとる作用があり、
寒冷の邪から身体を守る、玄武の名にふさわしい生薬で、
真武湯のほか、寒さや冷えによる風邪や腹痛、下痢、神経痛、
リウマチなどを治す処方に配合されています。

附子はトリカブト属植物の子根で、強い毒性の軽減のため、
炮製(ほうせい)が施されてきました。
今は高圧蒸気処理などして加工されたものが用いられます。
附子は冬に限らず、冷えを伴う虚弱な人に合いますが、
暑がりでのぼせるなど温めすぎてはいけない体質の人もいるので、
服用にあたっては注意が必要です。


2020年1月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子