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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年7月1日(水)

【薬膳コラム】琵琶 びわ

 薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 皆様は今年、枇杷(びわ)を召し上がられましたか。
 枇杷は12月頃に花が咲き、果実が熟すのに半年ほどかかります。
枇杷の黄橙色をした実は果肉が甘く、皮は薄くて手で剥けて、
実の割に大きい黒色の種子を持っています。


 枇杷には肺を潤す、咳を止める、痰を取り除く、
津液を生み出す、口の渇きを止める、げっぷなど上逆した気を降ろす、
胃の機能を調整して正常にする働きがあります。


 新型コロナウイルス感染防止のため、マスクをするようになりました。
咳や痰の症状がない方も、マスク着用によって肺に熱がこもりがちです。
枇杷は涼の食性で、肺の熱を冷ましてくれます。甘い果実で癒されてみませんか。


 また、枇杷の葉は長楕円形で濃緑色、大きく厚みがあり、
ビワヨウと呼ばれる生薬です。

ビワヨウは化痰止咳(かたんしがい/痰を取り除き咳を止める)
降逆止嘔(こうぎゃくしおう/上逆する気を降ろし吐き気を止める)の効能を有し、
鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症などの治療に用いられる
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)などの方剤に配合されています。


枇杷の葉は煮出して健康茶として飲まれたり、打ち身や捻挫に湿布する、
あせもや湿疹に葉の煎じ液で患部を洗う、
浴湯料にするなど民間療法に利用されたりしています。


 かつて、暑気祓いに飲まれていたという枇杷葉湯は私の嫁ぎ先の
薬局でも扱われていました。枇杷葉エキスに桂皮末、
生姜末が入っていたと伝え聞いています。(写真/枇杷葉湯)

 


2020年7月1日
薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子