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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2020年9月1日(火)

【薬膳コラム】秋の七草

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。


万葉集より 山上憶良(やまのうえのおくら) 秋野の花を詠む歌
「秋の野に 咲きたる花を 指(おゆび)折り
 かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」

「萩(はぎ)の花 尾花(をばな)葛花(くずはな)
 なでしこが花 をみなへし また藤袴(ふじばかま) 朝顔(あさがほ)が花」


尾花はすすき、諸説ありますが、朝顔は桔梗とされています。


この七草のなかで、葛粉は料理やお菓子に利用され、
葛の周皮を除いた根は葛根(かっこん)という生薬です。
葛根には発汗、解熱、鎮痙の作用があります。
風邪の引きはじめや首筋や肩がこった時などに、
葛根湯(かっこんとう)という漢方薬を
お飲みになった方も多いのではないでしょうか。



桔梗の根も生薬で(生薬名も桔梗)、袪痰、鎮咳、
排膿に働き、扁桃腺炎などのどが腫れて
痛むときにのむ桔梗湯(ききょうとう)、
痛みを伴う化膿症などに使用される
排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)などの
漢方薬に配合されます。



民間療法として、なでしこ(撫子)の乾燥した種子は
瞿麦子(くばくし)と呼ばれ、利尿、むくみ、
膀胱炎、生理不順のあるとき、おみなえし(女郎花)の根
(敗醤根:はいしょうこん)は子宮出血、産後の腹痛、
生理不順、下痢のあるとき、煎じてのみます。
藤袴の乾燥した茎や葉(蘭草:らんそう)は
むくみのあるときに煎じてのみ、
肩こりや神経痛には浴湯とします。



たまには自然あふれる場所に出かけて、
秋の風を感じながら、植物を愛でるのもいいですね。


 2020年9月1日
国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子