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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2023年8月1日(火)

【薬膳コラム】竹の花

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 「我がやどの いささ郡竹(むらたけ)
 吹く風の 音のかそけき この夕(ゆふべ)かも」と、
大伴家持が奈良の自邸で詠んだ万葉時代の竹は、
マダケやハチク(淡竹)といわれ、今も身近な植物です。


今年6月、牧野富太郎博士の「万葉植物図譜」の
複製原画を拝見したくて、高岡市万葉歴史館を訪れたところ、
館の方に、「ハチクの花が咲いています。
お庭でご覧になられませんか。」と、
声をかけていただき、間近で見ることができました。

 

垂れ下がっているのが、おしべです。

竹の花の開花周期は約120年と非常に長く、
明治41年に全国で一斉に開花したという
記録があると伺いました。
この貴重な体験は人生のうち、
最初で最後となるでしょう。



また、ドラマ「罠の戦争」で、
「滅多に咲かない竹の花が咲いた後、全部枯れる」と、
いわれていたのを思い出し、この竹の花が咲いたあと、
どうなるのか気になっています。


さて、ハチクやその他同属植物の竹竿の上皮を薄く剥ぎ取り、
皮下の帯緑白色部を薄く削ったものは
チクジョ(竹筎)という生薬で、
解熱作用、鎮吐作用、袪痰作用があります。



チクジョを含有する竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)は
風邪などの回復期に熱が長引く、
また、平熱になっても気分がさっぱりせず、
咳や痰が多くて安眠できない方に適応します。


新型コロナウイルス感染症の
流行時には品薄となりました。



 2023年8月1日

薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子