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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2022年11月1日(火)

【薬膳コラム】冬支度

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子です。

 紅葉が美しい今日この頃です。
秋の盛りともいえますが、
朝晩の冷え込みが増し、
所によっては草木の露が霜になり、
地面に霜が降り始めます。

今はそんな霜降(そうこう)、
そして今月7日は立冬、暦の上では冬を迎えます。



 雪深い、私の住む地方では、

本格的な冬が訪れる前に、家の周りに雪囲いをしたり、
樹木に雪吊りや藪巻きをしたり、自動車のタイヤを替えたり、
白菜やかぶなどを収穫して菜洗いを済ませたり、
漬物を仕込んだりします。

そうしているうちに、やがて、寒い朝がやってきて、
近くの山に雪が降り、うっすら白くなっているのを目にします。


 今はさほど寒さを感じない、雪のない街でも、
暖房器具の準備や暖かい衣類の用意が必要でしょう。



 中国で6世紀に著された
「荊楚歳時記(けいそさいじき)」には、
さらに冬が深まる仲冬の月(旧暦11月)に、
「霜ふれる蕪菁(かぶら)、葵等の雑菜を采(と)り擷(つ)み、
これを乾かし、家々並びに鹹葅(かんそ)を為る。」

という記述があり、古くから、人々は野菜を乾かして、
寒い季節に塩や酢につけたものか、
あるいはその菜を水に戻して茹でたものを
食していたと知ることができます。



 北陸では、これからの時季にかぶらずしを作ります。
かぶらずしは塩漬けしたかぶの輪切りに
塩漬けした鰤あるいは鯖をはさみ、
麹で漬け込み発酵させたなれずしの一種です。


子どもの頃は麹の味や匂いが苦手で、
ちょっとかじった程度でしたが、かなり大人になってから、
母に家で獲れたかぶをもらったので、
しめ鯖と米麹を買ってきて、ざっくりとした説明に従って、
かぶらずしを作ってみました。

発酵の進み具合は天候に左右されると分かり、
かぶはもちろん、麹までも作り、美味しいかぶらずしを
食卓に上げていた亡き祖母の苦労を知りました。

 

2022年11月1日


薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子