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お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2017年5月1日(月)

【薬膳コラム】端午の節句 菖蒲

国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

5月5日は五節句のひとつである端午の節句で、菖蒲の節句とも呼ばれています。
中国にならって奈良時代、聖武天皇の頃から端午の節句に菖蒲を使ったという記録があり、
平安時代には天皇に菖蒲を献上するなどの行事が催されました。やがて武士が台頭し、
菖蒲の葉が剣の形に似ていることやその音から菖蒲が尚武(しょうぶ)に転じて、
男の子の誕生を祝い立身出世を願って、鯉のぼりを上げたり、武者人形を
飾ったりするようになりました。現代では、この日はこどもの幸せをはかる
国民の祝日「こどもの日」に制定されています。

 

中国の年中行事を記した古書「荊楚歳時記(けいそさいじき)」には、
5月5日は浴蘭節といって蘭湯に浴したり、薬草を摘んだり、よもぎで人形を
作り門戸の上に懸けたり、菖蒲酒をのんだりしたという様子が記されています。
日本でも菖蒲をあしらった鬘(かづら)を冠に付けたり、菖蒲の葉とよもぎを敷いた
菖蒲の枕で 眠ったりなど、強い芳香のある菖蒲を厄病除けにしていました。
今日に至っては菖蒲の葉を お風呂に入れて血行を良くする菖蒲湯、一部の地方で
菖蒲によもぎを添えて家の軒端に挿して、 邪気をはらい火事を防ぐという
菖蒲葺(ふ)きの風習が残っています。?


菖蒲は穂状の花を持つサトイモ科の植物で、古くはあやめと呼ばれていたので、
大きな花を咲かせるアヤメ科の花菖蒲やあやめとは混同されがちですが、別の物です。
菖蒲の根茎はショウブコンといわれる生薬で、目、鼻、耳、口など身体の竅(あな)を
通じさせ、意識をはっきりさせる開竅薬(かいきょうやく)で、芳香性健胃薬でもあります。


菖蒲の葉は花屋やスーパーで販売されています。新年度に入ってひと月過ぎて
疲れの出やすい時期ですので、温かい菖蒲湯にゆったりとつかり、香りを楽しみながら、
心身ともにリフレッシュしてはいかがでしょうか。


次回のコラム掲載日は5月15日です。

平成29年5月1日 国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子