一覧

  • 薬膳とは
  • 薬膳キャンパスの活動
  • 講座情報
  • イベント情報
  • メディア情報 活動実績
  • お知らせ コラム

HOME > お知らせ・コラム一覧 > 【薬膳コラム】羊肉

お知らせ・コラム

<薬膳コラム>

2018年2月1日(木)

【薬膳コラム】羊肉

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師の伊東千鶴子です。

 毎日、寒いですね。二十四節気でいうと今は大寒、寒さが厳しい時期にあたります。
こんな時には身体の温まる食事が嬉しいですね。


 食物には食べた後に身体が温まって冷えを取り除く温熱性の性質を持つものがあり、
もち米、胡桃、生姜、にら、にんにく、葱、海老、鮭、鶏肉、羊肉、唐辛子、
シナモンなどが挙げられます。また、揚げる、炒める、焼く、煮る、蒸す、茹でるなど
加熱して調理することでも、食物の温性と補性(身体を補う性質)が増します。


 さて、張仲景(ちょうちゅうけい)が著した中国最古の臨床医学書で、主に慢性疾患の
治療に関した「金匱要略(きんきようりゃく)」に羊肉の入った方剤が記されています。
その条文は「寒疝(かんせん)、腹中痛み及び脇痛裏急するものは当帰生姜羊肉湯
(とうきしょうきょうようにくとう)が主治する」とあり、羊肉、当帰、生姜の三味が
配合されています。寒疝とは寒冷にあったり、冷たい物を食べたりして、
腹中が拘攣(こうれん)(けいれん)してへその周りが痛むもので、寒邪が腹内に
凝滞したために起こります。


 羊肉には気を補い、慢性の虚弱体質を改善し、おなかを温め、寒さで痛む腰や膝を温め、
母乳の出を良くする働きがあります。身体を温める羊肉は冷えでお悩みの方におすすめです
。羊肉にひね生姜を加え、塩などで味を調えてスープにしてはいかがでしょうか。
八角、シナモンなど香辛料をきかせると肉の臭みも取れて、身体をより温めます。
煮込んで軟らかくなった肉はもちろん、汁も漢方煎じ薬と同様にエキスが充ちているので、
ぜひ召し上がって下さいませ。

 ただし、身体を温めるものを、流れるほどの汗をかくくらい食べて、後でかえって冷えてしまったり、
元々暑がりの方が冬だからといって摂り過ぎて、体調不良になったりということもあります。
ご自身の体質を知り、健康維持の参考になさって下さいね。

平成30年2月1日

国際中医師、国際中医薬膳師、薬剤師、紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師 伊東千鶴子